コメ問題を見ている園主の独り言
そういえば、TPPの時「日本の農業が崩壊する」って大騒ぎしてたのは、某農業の巨大組合員組織だった。いま思えば、あの時日本の農業の制度が既にわけわからなくなってたんだと思う。減反に補助金がいい例だ。政策としては間違っていない。でもプロの農業者が少なくなってる。
であの時に話を戻すと、当時私はその巨大組合員組織の青年部で役員をしていた。総会の打ち合わせも終わり、部会員に総会案内が配布されて議案に見たことも聞いたこともない「TPP加盟反対決議」なるものが入っていた。すぐに事務局に連絡して、役員の我々が知らない議案が入っていてそれが既に配布されていることを大きく問題にした。すごく怒った。私個人としてはTPP加盟は必然だと思っていたこともある。事務局は私が怒ったことが意外だったらしく、なんとかこれは決議してくれと言ってきたが、知らん。そんなことは認めない。と突っぱねたことがあった。
反対決議するなんて、俺が役員やってるときに絶対認めない。強い意志を通したのさ。
事務局も上から言われているのだろう、何とか通してほしいと懇願してきたが役員の意志でないことを勝手に通すことは絶対に認めない。
あ、加えて言えば当時青年会議所にも所属していたので、会議とかルールの厳格さや筋の通し方は絶対的な価値を持っていたしそれは今も同様だ。
さらにTPPに加盟して海外に打って出るのが今後の日本の農業戦略だと私は当時も思っていた。これだけグローバル化が進んでいて、鎖国で日本を守れるはずがない。
ということで、総会の時に反対決議はしないがTPPについての勉強会をする。そこに落ち着けたことがあった。反対勢力の主張に徹底的に反論してやろうと準備して臨んだ勉強会。まさかの組合の臨時職員が「反対の署名取ってこいって言われてるけど、ただ取ってこいって言われても無理だ。どれだけ大変か知ってるのか?残業代くらい出せ」と理事者たちに文句を言って大騒ぎし、時間が終わってしまったのだった。
そして私の評判である。なんだあの黒岩って奴は。組合員であるにも関わらずなんだあの態度は!しかも組合に出荷してないじゃないか!共同の精神が欠如している。そんな奴が青年部の役員なのはおかしい!お偉方には疎まれ、当時の事務局はいまだに恨み節だ。
話を現在にする。
今やどうだ。日本の農産物は見事に世界から選ばれる立ち位置になっているではないか!
当時反対と大騒ぎしていた人たちは、今の状況をどうみているのだろう?
今起きているコメ問題。問題の根底には政策があると思う。某巨大組合員組織が、農業者から経営を奪った。強くなれらなければ淘汰されるのに弱いままでも生きる道を作った。だから定年退職してから家業の農業に入る人が増えた。今や農業者の平均年齢は67.9歳だ。言ってはなんだか、経営的なセンスも敏感さもない。それが現状だ。
私は若いころある業界ナンバー1の会社で働いた。その経験値を活かし31歳で農業に従事し有限会社でりんご屋を営んでいる。失敗もたくさんした。経営者として学び続けている。そして今がある。定年退職後に従事している人と基本スタンスが違う。
私の感覚では米は5キロ3,500円くらいの価値はあると思う。その価値を構築できないのはなぜだ?そこに問題がある。イノベーションの欠如だ。そして消費者も食料の価値(価格)をもっと大切にすべきだろう。
備蓄米を放出する、5キロ2,000円にする。今こそ米の価値を考えるときだ。
ただ、消費者が選べるのは良いことだと思う。
5キロ5,000円の新米をおいしく頂く。
国産の普通のお米を3,500円で。
米国産の輸入米を3,000円で。
古米を2,000円で。
MGやってる人は思うだろう。私の市場はどこだ?そこで戦略を組み立てる。それが経営者の仕事だ。
美味しいものは高いのだよ。当たり前のことです。
ちなみに備蓄米とは政府が非常時のために我々の税金を使って買い上げているものだ。我々の税金で買っている以上、すでに我々のものであるべきである。流通コストだけを価格に反映すべきだろう。